診察室より
2016.02.28更新
先日、去勢手術の依頼があった猫ちゃんの健康診断の一環として検便を行いましたら
マンソン裂頭条虫の卵が観察されました。
ワンちゃん ねこちゃんのおなかの中の寄生虫としては、回虫や一般的な瓜実条虫、鈎虫、鞭虫などが一般的ですが
あまり都会の猫さんにはみられないかもしれません
最近、私の病院でもこの虫は年に1~2回ほどしかお目にかからない珍しいものです。
今回はこの寄生虫につきまして、ちょっとだけ解説したいと思います。
この虫の卵は水中で孵化してまず、ミジンコに取り込まれます。 (第一中間宿主 といいます)
次にカエルやヘビなどにミジンコが食べられると その体内でまた成長します。(第二中間宿主といいます)
そのカエルなどを食べたワンちゃん猫ちゃんに最終的に感染します。(終宿主といいます)
これがマンソン裂頭条虫です。
お食事中の方 申し訳ありません
カエルを食べる癖のある犬や、放浪生活を送った猫でよく感染が見られるようです。
今回この飼い主様にお伺いいたしましたら、やはり川の近くにお住まいで保護する最近まで川沿いで暮らしていたようです。
幸いこの子は下痢などの消化器症状は全くなかったのですが、寄生虫駆除の注射をさせてもらい一件落着しました。
わんちゃんや猫ちゃんから直接人に移るものではありませんが、カエルやヘビの生食すると感染することもあるようです。
見た目が健康そうに見えても、定期的に検便することんも大事ですね とくに外に遊びに行く子はですね
最近では、おなかのの虫を定期駆虫して予防するということも一般的になりつつあります。
当院では、犬猫のフィラリア予防薬とともにおなかの虫も定期的に駆除できる合剤をご用意しております。
お気軽にご相談ください