以前当院のHP【犬のかゆみ】と題してブログをアップさせて頂きました。今回は続編として実際の対処法としての治療編の実際を簡単にまとめたいと思います。
動物病院でよく診られる皮膚病でかゆみが強い病気のなかで、完治が難しいアレルギー性皮膚炎があります。
ご愛犬が掻いたり舐めたりそれによって皮膚のバリアがくずれてしまい、炎症が広がりさらに悪化してどんどん広がってしまい見ていても辛いものですね!
中でもアトピー性皮膚炎と診断された場合は、一生お付き合いが必要な場合もあり大変悩ましいです。
しかしながら、現在は様々な治療法によってこの病気とうまくつきあっていくことが出来ますので粘り強く向き合って頂けたら幸いです。
アレルギーに効果がある主な治療法をまとめてみました
①ステロイド(副腎皮質ホルモン)・・・古典的なお薬です。安価で即効性が高く有効性が高いお薬です。ただ長期間使用で臓器や組織また多飲・多尿。多食などの目に見えるような副作用もあります。オーナ様から副作用のお話がよく出ますが、個人的には量や期間を考慮しながら使用すれば大変よいお薬だと思っております。
②外用ステロイド・・・局所の痒みと症状を緩和いたします。飲み薬と比較すると副反応は少ないです。但し軟膏などは舐めてしまうことがあり頻回投与で皮膚が薄くなってしまうという欠点もあります。最近では全身への影響が少ないスプレー剤がありますので当院でもよく処方しております。
③抗ヒスタミン剤・・・人では花粉症を始めアレルギーや風邪薬として一般的なお薬で、安価で安全性の高いお薬です。残念ながら有効率は人よりも低く30%ぐらいといわれております。当院では補助的に使用することが多いです。
④シクロスポリン製剤(アトピカ)・・・犬アトピー性皮膚炎の治療薬として、有効性が認められているお薬です。ステロイド剤ほど副作用は少ないといわれております。使用中は予防接種を控えることが必要で、効果がでるまで3週間ほどかかるといわれています。
⑤犬インターフェロンγ療法(インタードック)・・・免疫を調節するお薬です。ワンちゃんのアレルギーの体質改善を目的としたお薬です。副作用も少なく安心して使用できるイメージです。ただお注射なので始めの1か月は最低でも週1回の通院が必要です。
⑥オクラシチニブ(アポキル)・・・この中では新薬でワンちゃんのために新しく開発されて最近注目されている新しいお薬です。安全性が高く①のステロイドと比較しても同等の即効性もあります。当院でも最近よく処方させて頂く機会がございまして、オーナー様の評判も上々です。但し少し高価な薬であることや、有効期間が短いことがありお薬を減らしていく段階で痒みが再発してしまうことがあります。
⑦その他
シャンプー療法やサプリメント、食事なども有効である場合もあります。
少し長文になりましたが、アトピー性皮膚炎はこのように色々な治療法がございます。治療が長期間になることが多いですので、オーナー様の考え方や、環境やワンちゃんの状態によってよりよい治療法をご提案していきたいと考えております。